M&Aとは

売り手のメリット・デメリット

目次

  • M&Aとは…

  • 売り手から見るメリット
     1.後継者問題の解決
     2.従業員の雇用の確保
     3.取引先との関係継続
     4.会社の発展性
     5.その他

  • 売り手から見るデメリット
     1.価格乖離
     2.従業員の動揺・離反
     3.取引先の反発
M&Aとは…
M&Aとは、「Mergers」and「Acquisitions」の略称です。
直訳すると、「合併」と「買収」という意味になります。

日本では、組織再編(合併や会社分割)に加え、株式譲渡や事業譲渡を含む、各種手法による事業の引継ぎ(譲り渡し・譲り受け)を意味し、中には資本参加や出資拡大までを含めて広くM&Aとして定義される場合もあります。
M&Aと聞くと、まずは大企業同士の「合併」や「買収」をイメージしますが、近年では中小企業でも多くM&Aが行われています。中小企業庁の調べによると、2025年までに、平均引退年齢である70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者約245万人のうち、約半数の127万人が後継者未定と見込まれています。つまり、中小企業の後継者問題は深刻です。そこでM&Aの手法により、事業を第三者に承継しようという動きが活発になりつつあります。

今回は、中小企業におけるM&Aについて、売り手側から見たM&Aのメリット・デメリットを解説します。
メリット
1.後継者問題の解決

メリットの1つ目は、「経営者の高齢化による後継者問題」を解決できることです。

独自の技術やノウハウ、取引先等を有しているものの、後継者が存在しないことで事業継続が困難な企業でも、M&Aでは、会社の株式を他社に譲渡することで、事業全体を第三者に承継しますので、会社及び事業の存続を図ることができます。

2.従業員の雇用の確保

メリットの2つ目は、「従業員の雇用の安定と更なる活躍の場の提供」に繋がることです。

会社が廃業してしまった場合、従業員の雇用は守れませんが、M&Aで譲渡をした場合、従業員も雇用を継続するケースが多いです。中小企業においては、良くも悪くも人に依存する側面が大きいため、実際の中小企業のM&Aでは役員・従業員について一定期間の雇用継続が条件として盛り込まれる事が通例です。中には、より大きなグループの一員として活躍の場が広がり、従業員の育成、士気向上、家族の安心に繋がるケースも多くあります。

3.取引先との関係継続

メリットの3つ目は、「良好な取引先との関係継続」です。

垂直統合によるM&Aで、グループ間のスケールメリット発揮を目的として仕入先の見直しを行う等もケースとしてあり得ますが、基本的には、M&A後もこれまで懇意にしてきた取引関係は継続されることが多いです。

4.会社の発展性

メリットの4つ目は、「相乗効果を発揮して会社の発展性が見込める」ことです。

成長意欲のある企業に自社を託すことで、販路や事業規模が拡大し、会社が今まで以上に大きな成長を遂げる可能性が高まります。オーガニック成長では成し得なかった事業への着手や海外進出等ができるかもしれません。

5.その他

その他にも、経営者個人の視点から見ると、以下のようなメリットも期待できます。

大きな創業者利潤を得る事ができる
譲渡価格は、自社の株の価値で決まります。譲渡する株式に対して、経営者は対価を得ることができ、その対価である株式価額には、将来の超過収益力等を加味した「のれん」が上乗せされて評価されることが一般的です。そのため、オーナー経営者は大きな創業者利潤を得ることが期待できます。

債務保証からの解放

M&Aでは、株式と同時に個人が負っている債務保証関連も買い手企業の責任で解消する事が一般的であるため、債務保証からの解放も期待できます。個人的な資産を担保にして資金を得ている経営者の方にとっては、先々の心配が減るのではないでしょうか。


その他にも、個人での捉え方に違いはありますが、M&Aをすることによって余暇の時間を確保できたり、健康問題に向き合うことができたりするのも、メリットの1つといえるでしょう。

デメリット
1.想定していた価格ではない

当初、想定していた価格で株式または事業を譲渡できない場合があります。
M&Aを成功させるコツは、「最も評価される(=高く売れる)タイミングで、最良の相手に譲渡すること」です。タイミングを逃さないためにも、常にM&Aを選択肢として保持していくことをお勧めいたします。

2.従業員の動揺・離反

オーナー経営者は、従業員のことも考えた上でM&Aによる譲渡という選択肢を選ぶことが多いかと思います。

しかしながら、必ずしも、そのオーナー経営者の想いが伝わり理解を得られるとは限りませんので、従業員の方へは、中途半端な状態で伝えるのではなく、しっかりと説明できる準備をして伝えることが望ましいです。

3.取引先の反発

M&A成立後に契約条件が変更されたり、担当者が変わったりした場合、長年の取引先へ影響を及ぼす場合があります。

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