注目業界動向

2021年3月の注目業界動向

2021年4月2日
 

 少額短期保険(少短保険)は、2006年4月の保険業法改正で参入要件が定められた。最低資本金1000万円、財務局への登録制と参入障壁が低く、2018年の市場規模は1000億円に到達した。

最近の傾向

 これに伴い、少短保険事業への本格参入、同事業の拡大を目的としたM&Aも増加している。なかでも、SBIグループの動きが活発だ。SBIHDは、金融業界における規制緩和、自由化の進展やインターネットの急速な普及を好機と捉え、2006年に保険事業に参入。2012年の地震補償保険の日本震災パートナーズ(東京)買収を皮切りに少短保険事業に本格参入した。2019年にペット保険提供の日本アニマル倶楽部(仙台市)、2020年には賃貸住宅入居者向け災害時生活復旧費用保険の常口セーフティ少額短期保険(札幌市)など計5件の買収を重ね、商品ラインナップを拡充。さらに、2020年1月にはSBIインシュアランスグループが、光通信と資本業務提携し、同社を引受先とする22億7800万円の増資を実施。調達資金を少短保険事業のM&A資金に充て、さらなる事業拡大を目指している。SBIグループは強みである金融×ITのノウハウを生かし、今後の少短保険市場をリードする筆頭候補になりそうだ。他方で、住友生命保険(東京)が、「マルチチャネル・マルチプロダクト戦略」のもと、アイアル少額短期保険(同)を2019年に買収し、日本生命保険(同)もグループで準備会社を立ち上げ、ネット通販に参入する方針で、保険大手の動きも本格化してきた。ヤマダ電機ホールディングス、ジュピターテレコム(東京)など異業種大手も市場に本格参入しており、SBIグループ、保険大手、異業種大手が入り混じる今後の市場動向に注目したい。(長谷川 雄紀)



出所:MARR online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~]  (2021年5月号)より