MARR Online注目業界動向

2020年11月の注目業界動向

2020年12月2日

世界でドローンビジネスが急拡大している中で、日本企業で急成長を遂げているのがベンチャー企業のテラドローン(東京)だ。同社は2016年設立ながら、「空から、次の産業革命を起こす」をスローガンに、既に世界25か国以上で拠点を展開しており、従業員数は全世界で500人近くにのぼる。売上高は2018年度で約27億円、2020年度には約100億円を視野に入れている。さらに、独調査会社DRONEIIの「ドローンサービス企業世界ランキング2020」では、産業用ドローンサービス企業として世界1位の評価を得ている(2018年は9位、2019年は2位)。



最近の傾向
 テラドローンによると、海外進出戦略として、優れた起業家を見つけグループに入れることを謳っており、これに基づいて積極的にM&Aを行っている。2018年11月には産業向けドローン関連サービスの蘭skeye BV、同年12月には無人航空機(UAV)サービスの豪C4D Intelを買収。さらに2019年2月に産業向けドローン関連サービスの露Unmanned Technology、同年8月にUAV点検・測量サービスの米Ventus Geospatialを買収した。一方、ブラジル、インドネシア、アンゴラ、カザフスタン、カナダのドローンサービス企業については、100%の株式を取得せずグループ化を図っており、対象企業の起業家のモチベーションを損なわないようM&Aのスキームを使い分けているようだ。

テラドローンはベンチャー企業ながら、M&Aを駆使し、創業4年で世界トップクラスの企業に成長した。まだ黎明期であるドローン業界で次に成長する企業は大手か、ベンチャー企業か。引き続き注目していきたい。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年1月号)より