MARR Online注目業界動向

2023年4月の注目業界動向

2023年5月1日

ブリヂストンがタイヤ周辺領域でM&A、
「つながるタイヤ」のサービス本格化へ布石
近年、ブリヂストンが車両運行管理会社などタイヤ周辺領域でM&Aを進めている。

2019年にはインターネットを活用した車両管理サービスを提供する蘭トムトムテレマティクスを買収。これにより86万台の車両やタイヤのビッグデータの活用を可能としたほか、2021年には6000を超える北米の運輸事業者へ運行管理プラットフォームを提供する米アズーガ・ホールディングスを買収した。

また、2022年には米メイ・モビリティーやティアフォー(名古屋市)といった自動運転スタートアップ企業への出資も発表した。

動向
 
自動運転が普及し運転手がいなくなると、搭乗者がタイヤの状態を把握しなくなるため、タイヤ情報を容易に測定できる技術が重要となるが、従来、ブリヂストン独自で情報収集するには限界があった。これらM&Aによりデータ収集力を高めたほか、自動運転に関する実験データの蓄積も進む。

タイヤ業界では、無線通信を使って情報をやり取りし、製造・装着時期や交換タイミング、補修歴など様々なデータを管理できる、いわゆる「つながるタイヤ」の実用化が近づいている。2022年には、タイヤデータの標準化を目指す国際組織のGDSOが設立されており、ブリヂストンもトッパン・フォームズと実装技術の開発を開始した。

タイヤから得られるデータを活用したサービスの本格化が、タイヤメーカーの将来の競争力を大きく左右することになりそうだ。






出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年6月号)より