MARR Online注目業界動向

2021年6月の注目業界動向

2021年7月2日

CCC、MBOによる非上場化から10年で売上高倍増。さらに企業変革推進へ

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、東京)は、競争激化、インターネットのコンテンツ配信速度の加速に加え、人口減少も相まって経営環境が厳しくなるなか、収益依存度の高いTSUTAYAFC事業のビジネスモデルの転換、次世代店舗の開発や中国進出、新規事業への投資など抜本的、機動的な事業の再構築を行うとして、2011年7月にMBOにより非上場化し、今年で10年の節目を迎える。

最近の傾向


「カルチュア・インフラを、つくっていくカンパニー。」をミッションに、「世界一の企画会社」をビジョンに掲げ、今や、大人のライフスタイルを提供する「蔦屋書店」、町のランドマーク、観光振興を兼ね備えた図書館リニューアルを中心とした「公共サービス」、会員数7000万人超の「Tポイント」をプラットフォームとしてCCCの生活提案を支える「データサイエンス」、直営・FC合わせて1000店舗以上を数える「TSUTAYA」、出版を通じて様々なライフスタイルを提案する「PUBLISHING」を展開するライフスタイル提案企業へと変革し、売上高は2012年3月期約1700億円から2020年3月期3533億円と2倍超に拡大した。

足元では、4月1日付で組織改編を発表した。傘下でTSUTAYA・蔦屋書店など企画・FC展開のCCC LIFESTYLE(同)など4社を吸収合併する。

動画配信サービスの普及により店舗でのレンタル事業が低迷しており、Tポイントを使ったマーケティング事業のノウハウを店舗運営に生かすなど、事業間の連携を強化していく方針で、さらなる企業変革に注目したい。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年8月号)より