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2020年10月のM&A状況

2020年11月4日

336件

10月のM&A市場では、IN-INで、DCMホールディングスが島忠をTOBにより買収する。買付価格は1株4200円、買付総額は約1637億円。これに対し、ニトリホールディングスが1株5500円で対抗TOBを実施すると発表した。IN-OUTでは、NECが、スイスの大手金融ソフトウェア企業であるアバロックの持株会社を約2380億円で買収する。OUT-INでは、中国半導体製造装置メーカーの中微半導体設備などが、フェローテックホールディングスの同国孫会社で半導体ウェーハ会社に資本参加した。

10月は336件
 10月の件数は336件で、前年同月の356件から20件、5.6%の減少となった。マーケット別ではIN-INが260件で前年同月比1.6%増、OUT-INは27件で同12.5%増だった。一方、IN-OUTが49件で同35.5%減少した (表1参照)。IN-INの件数は3カ月連続で前年同月を上回っている。金額は8393億円。金額トップはNECによるスイスのアバロックの持株会社の買収で約2380億円 (表2参照)。1-10月の累計件数は3025件、前年同期比10.9%減、金額は13兆909億円、同0.3%減。








※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2020年12月号)より