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2021年1月のM&A状況

2021年2月2日

253件

1月のM&A市場では、IN-INで、福井銀行が、福邦銀行の公的資金返済を前提に50億円の第三者割当増資を引き受ける。IN-OUTでは、東京海上ホールディングスが、ブラジル連邦貯蓄銀行の保険事業の一部を395億円で買収した。OUT-INでは、昭和電工が、アルミ缶事業を米投資ファンドに売却し、ブリヂストンが、建築資材事業の孫会社をスイスの建築資材メーカーに売却する。

1月は253件

1月の件数は253件。新型コロナウイルス感染拡大により首都圏などに2度目の緊急事態宣言が発出されるなかで、前年同月比41件、13.9%の減少となった。マーケット別ではIN-INが204件、前年同月比2.9%減、IN-OUTは35件、同50.0%減、OUT-INは14件、同増減なしだった(表1参照)。金額は5085億円、前年同月比16.4%増加した。金額トップは、ブリヂストンによるスイスの建築資材メーカーのラファージュホルシムへの同事業の孫会社の売却で約3493億1600万円(表2参照)。



※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年3月号)より