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2021年2月のM&A状況

2021年3月2日

330件

2月のM&A市場では、IN-INで、前田建設工業が、敵対的TOBで子会社化した前田道路、既存子会社の前田製作所と株式移転により共同持株会社を設立し、経営統合する。IN-OUTでは、ルネサスエレクトロニクスが、半導体大手の英ダイアログ・セミコンダクターを6179億円で買収する。OUT-INでは、英投資ファンドのCVCキャピタルパートナーズが、資生堂と同社子会社が「TSUBAKI」や「SENKA」などのパーソナルケア製品販売事業を移管する新会社を1600億円で買収する。

2月は330件

2月の件数は330件。新型コロナウイルス感染拡大による首都圏などへの2度目の緊急事態宣言下で、前年同月比3件、0.9%の増加となった。マーケット別ではIN-INが260件で前年同月比2.8%増、OUT-IN が22件で同2.2倍に増加した。一方、IN-OUTは48件、同25.0%減少した(表1参照)。金額は1兆6010億円。金額トップは、ルネサスエレクトロニクスによる英ダイアログ・セミコンダクターの買収で6179億円(表2参照)。





※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年4月号)より