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2023年3月のM&A状況

2023年4月11日

JIPなど国内連合、東芝を2兆円買収
3月のM&A市場では、IN-INで、日本産業パートナーズ(JIP)を中心とする国内連合が東芝をTOBにより買収する。金額は最大1兆9987億円。
IN-OUTでは、三井住友銀行がベトナムのVPバンクに約1831億円相当を出資し、15%の株式を取得する。
OUT-INでは、ENEOSホールディングスの傘下のJX金属が保有するチリ・カセロネス銅鉱山をカナダの銅鉱山大手に約1235億円で売却する。

3月は345件

3月の件数は345件で、前年同月比107件、23.7%減少した。マーケット別はIN-INが256件で前年同月比29.5%減、IN-OUTは62件、同24.0%増、OUT-INは27件、同30.8%減だった。(表1参照)。金額は2兆8251億円、前年同月比2.8倍となった。金額トップは、日本産業パートナーズ(JIP)を中心とするコンソーシアムによる東芝へのTOBで約1兆9987億円(表2参照)で、本案件が金額を押し上げた。

1-3月の件数合計は929件で、前年同期比18.0%の減少となった。



※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは・・・
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年5月号)より