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2023年5月のM&A状況

2023年6月1日

アステラス、米社を8000億円で買収
5月のM&A市場では、IN-OUTで、アステラス製薬が、米バイオ医薬品企業のアイベリック・バイオを約8000億円で買収する。IN-INでは、みずほ銀行、日本政策投資銀行、三菱UFJ銀行が九州電力に追加出資する。2000億円の優先株式を引き受ける。OUT-INでは、米投資ファンドのベインキャピタルが、システムインテグレーターのIDAJに資本参加する。


5月は325件

5月の件数は325件で、前年同月比29件、8.2%の減少となった。マーケット別ではIN-INが236件で前年同月比11.3%減、IN-OUTは65件、同18.2%増、OUT-IN は24件で同27.3%減だった(表1参照)。金額は1兆9535億円、前年同月比21.1%減少した。金額トップは、アステラス製薬による米バイオ医薬品企業のアイベリック・バイオの買収で約8006億8900万円(表2参照)。

IN-INでは、みずほ銀行(東京)、日本政策投資銀行(同)、三菱UFJ銀行(同)が、九州電力に追加出資する。8月1日付で総額2000億円の優先株式を引き受ける。6月28日開催の定時株主総会で特別決議による承認を得る予定。九電は調達資金を「電源の低・脱炭素化」に係る資金などに充てる。



※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは・・・
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。

出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年7月号)より