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2021年3月のM&A状況

2021年4月2日

476件

3月のM&A市場では、IN-OUTで、日立製作所が米IT大手のグローバルロジックを買収する。日立にとって初の1兆円買収となる。IN-INでは、楽天と日本郵政が資本業務提携する。日本郵政が楽天に約1500億円を出資する。OUT-INでは、婚活サイト運営のイグニスの経営陣が、米投資ファンドのベインキャピタルと共同で、イグニスをMBOにより非上場化する。


3月は467件

3月の件数は467件で、前年同月比99件、26.9%増加した。月間467件は過去最多となる。マーケット別では、IN-IN371件、前年同月比26.6%増、IN-OUT58件、同3.6%増、OUT-IN38件、同100%増と、いずれのマーケットも増加した。IN-IN、OUT-INはともに月間最多を更新した(表1参照)。金額は1兆8461億円で、前年同月比163.8%増。金額トップは、日立製作所による米グローバルロジックの親会社である米GlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.の買収で約1兆368億円(表2参照)。1-3月の累計件数は1058件で前年同期比7.0%増、金額は3兆9256億円、同105.3%増と、件数、金額ともに前年同期を上回った。前年は新型コロナウイルス感染症拡大により緊急事態宣言が発出された4月、5月にM&A件数が大きく落ち込んでおり、今年4-6月の動向が注目される。





※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年5月号)より