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2021年8月のM&A状況         

2021年9月2日

日立、仏タレスから鉄道信号事業買収

8月のM&A市場では、IN-OUTで、日立製作所が英子会社を通じて、仏防衛・電子機器メーカーのタレスから鉄道信号関連事業を譲り受ける。IN-INでは、H2Oリテイリングが関西スーパーを買収する。同社とH2Oリテイリング傘下の2社の株式交換を実施する。
OUT-INでは、資生堂が「bareMinerals」など3つの高価格帯メイクアップブランドを米投資ファンドのアドベント・インターナショナルへ売却する。






8月は320件


8月の件数は320件で、前年同月比33件、11.5%の増加となった。

マーケット別ではIN-INが257件、前年同月比10.3%増、IN-OUTは42件、同27.3%増、OUT-INは21件、同増減なしだった(表1参照)。

金額は8711億円、前年同月比78.5%減少した。金額トップは、日立製作所による仏防衛・電子機器メーカーのタレスから鉄道信号関連事業の買収で、事業価値約2150億円(表2参照)。

1-8月の累計件数は2794件、前年同期比15.8%増、金額は11兆3052億円、同54.2%増。




 




※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年10月号)より