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2021年9月のM&A状況

2021年10月4日

MUFG、米地銀のリテール部門を売却

9月のM&A市場では、OUT-INで大型案件があった。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が傘下の米MUFGユニオンバンクのリテール部門を米USバンコープに売却する。

IN-INでは、SBIホールディングスが、新生銀行に敵対的TOBを仕掛けた。
IN-OUTでは、東京電力グループと中部電力の折半出資会社のJERAが、フィリピン大手財閥グループの電力子会社に資本参加、脱炭素を加速させる。




9月は356件


9月の件数は356件で、前年同月比72件、25.4%の増加となった。

マーケット別ではIN-INが263件、前年同月比15.4%増、IN-OUTは53件、同65.6%増、OUT-INは40件、同66.7%増となった(表1参照)。

金額は3兆1605億円、前年同月比35.9%減少した。金額トップは、米USバンコープによる米MUFGユニオンバンクの買収で、金額は約1兆9349億円(表2参照)。

1-9月の累計件数は3153件、前年同期比17.0%増、金額は14兆4557億円、同17.9%増。


 




※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2021年11月号)より