MARR Online注目業界動向

2020年2月の注目業界動向

2020年3月16日

拡大中のeスポーツ市場で、M&Aを活用した動きが増加中

ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える「eスポーツ」。将来のオリンピック競技の正式種目としても検討されている。

昨今では「YouTube」をはじめ動画配信やソーシャルメディアでeスポーツの視聴機会が増えており、競技者やファンの若年層にリーチしたい大手企業が大会スポンサーとなるなど、今後も急激な市場拡大が予測されている。

最近の傾向


2018年には「日本eスポーツ連合」が設立されるなど業界団体発足の動きもあり、この年は「eスポーツ元年」と呼ばれているが、このころからeスポーツに関連するM&Aも見られるようになった。

2018年には、アカツキが、スポーツエンターテイメント事業のSkyBall(東京)と、スペインのeスポーツリーグ「LPE」運営のPROFESSIONAL ESPORTS LEAGUE, S.L.を買収し、eスポーツ事業に参入した。
2019年には、九州電力の全額出資子会社のQTnet(福岡市)が、プロeスポーツチーム「SengokuGaming」運営の戦国(鹿児島県霧島市)の買収を発表。

また、今年に入り、ブロードメディアが、eスポーツコネクト(東京)からプロeスポーツチーム「サイクロプス・アスリート・ゲーミング」を譲り受けることで合意した。同社は運営するルネサンス大阪高等学校で2018年4月から高等学校として日本初の「eスポーツコース」を開設し、eスポーツ関連事業の育成を目指している。

ゲーム調査のNewzoo社によると、eスポーツ市場は2021年に全世界で1600億円、日本は85億円と見込まれる。成長が期待される同市場でどのようなM&Aが見られるか、今後の動向に注目したい。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2020年4月号)より