MARR Online注目業界動向

2022年12月の注目業界動向

2023年1月5日

成長市場のeスポーツ、小売業、運輸業など異業種がM&Aで参入
一般社団法人日本eスポーツ連合によると、eスポーツの2021年の市場規模は前年比15.5%増の78.4億円。世界各国で大会が開かれ、プロプレーヤーが若者を引き付けて競技人口のすそ野が広がっている。将来はオリンピックの正式種目としての採用が期待され、今後も高い成長が見込まれる。
様々な企業が大会やチームのスポンサーとなることで、同市場を広告媒体として活用している。また、参入障壁が低いため、異業種がM&Aによりeスポーツ事業に参入する動きも出始めている。

動向

小売業では、J.フロントリテイリングが、eスポーツチーム「SCARZ」運営のXENOZ(神奈川県川崎市)を2022年11月に買収し、本格的に参入。パルコでの大会やイベント開催による集客に加え、eスポーツとデジタルビジネス(メタバース、NFT等)の親和性の高さを活用したデジタル面でのビジネス拡張を計画する。
運輸業では、南海鉄道が、エンターフォース(福岡市)からeスポーツ事業を同年5月に譲り受け、eスポーツ事業に特化した新会社を設立した。従来の都市開発に加えて、文化・エンターテインメントを軸としたソフト中心の街づくりにより、集客力の強化や難波エリアの価値向上を目指す。

eスポーツはまだ黎明期だが、M&Aが活発化し、今後、多くの異業種が参入する見通し。若者やデジタルを取り込んだ新たな事業展開の起爆剤として期待が高まっている。





出所:株式会社レコフデータ MARR Online
   [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年2月号)より