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2020年8月のM&A状況

2020年9月2日

287件
8月のM&A市場では、IN-OUT、OUT-INそれぞれで、本年初の1兆円超の案件が発表された。IN-OUTでは、セブン&アイ・ホールディングスが、米コンビニ3位の米スピードウェイを2.2兆円で買収、OUT-INでは、シンガポール塗料大手のウットラム・ホールディングスが、日本ペイントホールディングスを1.3兆円で買収する。IN-INでは住友ベークライトが、持ち分法適用会社の川澄化学工業をTOBにより買収する。IN-IN件数は前年同月比0.9%増と、コロナ禍で復調が顕著となった。

8月は287件
 8月の件数は287件で、前年同月比30件、9.5%減少。マーケット別ではIN-INが233件、前年同月比0.9%増と、コロナ禍で復調が顕著となった。IN-OUTは33件、同49.2%減、OUT-INは21件、同増減なし(表1参照)。金額は4兆396億円、前年同月比498.1%の大幅増だった。金額トップは、セブン&アイ・ホールディングスによる米コンビニ3位の米スピードウェイの買収で2兆2176億円(表2参照)。1-8月の累計件数は2401件、前年同期比12.6%減、金額は7兆2761億円、同23.4%減。




※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2020年10月号)より