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2022年11月のM&A状況
2022年12月1日
セブン&アイHD、そごう・西武を売却
11月のM&A市場では、IN-INで、セブン&アイHDが傘下で百貨店経営のそごう・西武(東京)を、ソフトバンクグループの米子会社のフォートレス・インベストメント・グループに売却する。IN-OUTでは、三菱UFJ銀行(東京)がタイ子会社のアユタヤ銀行などと共同で、個人ローン事業の蘭ホームクレジットのフィリピン法人とインドネシア法人を買収する。
OUT-INでは、米ベインキャピタルが、ファッションブランドなどを展開するマッシュホールディングス(東京)を買収する。
11月は319件
11月の件数は319件で、前年同月比21件、6.2%の減少となった。マーケット別ではIN-INが236件で前年同月比7.5%減、IN-OUTは59件、同5.4%増、OUT-IN は24件、同17.2%減(表1参照)。金額は1兆1332億円、前年同月比10.0%増加した。
金額トップはセブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武(東京)の売却案件で2500億円(表2参照)。1-11月の累計件数は3951件、前年同期比2.0%増、金額は10兆1572億円、同36.2%減となった。
IN-INでは、セブン&アイHDが、傘下で百貨店経営のそごう・西武(東京)を、ソフトバンクグループの米子会社のフォートレス・インベストメント・グループに売却する。企業価値2500億円とする。フォートレスはヨドバシホールディングス(同)をビジネスパートナーとして、企業価値の最大化に取り組む。セブン&アイHDはセブン-イレブンを核としたグローバル成長戦略を推進する。
オリックスは、化粧品・健康食品メーカーのディーエイチシー(DHC、東京)を買収する。会長兼社長から過半数の株式を取得する。完全子会社化を目指す。EV(企業価値)を1000億円以上としている。オリックスはヘルスケア分野のネットワーク拡大につなげる。円滑な事業承継、コンプライアンス体制やコーポレートガバナンスの強化を推進する。
※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。
※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。
※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。
※当事者とは・・・
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
出所:株式会社レコフデータ MARR Online
[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年1月号)より
[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年1月号)より