注目業界動向

2020年12月の注目業界動向

2021年1月5日

2020年12月、金融審議会から銀行業務範囲の規制緩和を盛り込んだ報告書が公表された。子会社を通じて営むことができる業務として、フィンテック、地域商社、アプリやITシステムの販売をはじめ8つの分野が挙げられており、銀行持株会社傘下の企業が営む場合は認可不要の届け出制となる。2021年の通常国会に関連法案改正案が提出される見通しだ。人口減少に伴う資金需要の低下や超低金利による利ザヤ縮小という流れの中、預金でお金を集め、貸し出して利ザヤを稼ぐ伝統的な銀行業務の収益力が落ちており、さらにコロナ禍による経済の悪化が、銀行ビジネス再構築の加速化を迫る。

最近の傾向

M&Aを用いた異業種進出の動きも出始めた。2020年9月に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、医療系アプリ「MyHospital」提供のプラスメディ(東京)を買収した。傘下の三井住友銀行(同)で「医療データの情報銀行」の実証事業を進め、各事業者と連携して健康・医療データを核とした経済圏創出を目指す。

また、同年10月には、ひろぎんホールディングスが、IT関連のマイティネット(広島市)が事業を会社分割して設立するひろぎんITソリューションズ(同)の買収を発表した。体力のある大手銀行グループにとって、業務範囲規制の緩和が、M&Aによる事業多角化の呼び水となるか注目される。

(編集委員 田城謙一)




出所:MARR online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~]  (2021年2月号)より