MARR Online注目業界動向

2022年6月の注目業界動向

2022年7月4日

アドバンテッジパートナーズ、国内外で投資拡大。
国内系ファンドの活躍に注目
アドバンテッジパートナーズ(AP)は1992年に設立された日本のPEファンドの草分けだ。そのAPの動きが国内外で活発化している。2022年6月14日にグループのアドバンテッジアドバイザーズがサービスを提供するファンドの募集を約651億円で完了したと発表した。

業界動向

2019年に組成された同ファンドは、日本政策投資銀行、NTTドコモを戦略的パートナーとし、日本の上場企業を投資対象とする。資金調達と投資活動を平行して進め、すでに、スターフライヤー、コシダカホールディングスなどに投資している。海外では、2021年12月に特別買収目的会社(SPAC)を設立し、米国市場での上場を果たした。日本のPEファンドによるSPAC設立は初めてで、最終的には172.5million米ドルの出資を集めたという。日本を含むアジア(中国本土、香港、マカオを除く)と欧州や米州を対象とした脱炭素及び再生可能エネルギー関連事業への投資を企図したサステナビリティ特化型のSPACという点も大きな特徴だ。さらに、足元では、APがパイプドHDの2度目のMBOによる非上場化支援を発表した。
2022年1-6月に発表された新規組成ファンドは75件、出資金総額は3718億円にのぼる(レコフデータ調べ)。前年同期と比較するとそれぞれ19.4%減、37.8%減少しているが、特にここ数年、国内系ファンドの件数・金額は積み上がっている。事業改革の担い手として今後の活躍が注目される。



※本記事は株式会社レコフデータより提供を受けています。
出所:株式会社レコフデータ MARR Online
     [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2022年8月号)より