MARR Online注目業界動向

2022年8月の注目業界動向

2022年9月2日

通貨処理機国内最大手のグローリー、小売店・飲食店業界へ攻勢
東証プライム上場で通貨処理機国内最大手のグローリーは、兵庫県姫路市に本社を置く。1918年創業、1944年設立。1950年に国産初の硬貨計数機を開発し、2018年に創業100周年を迎えた。入出金・計数機器やつり銭機をはじめ、国内金融機関を中心に市場シェアは70%以上にのぼる。

動向

海外では2012年に通貨処理機メーカー世界最大手の英タラリス・トプコ(現・Glory Global Solutions (International))を858億円で買収して以降、同社を中心に海外M&Aを加速させ、足元で100カ国以上で事業を展開する。海外売上高は1000億円超で、連結売上高の56.4%を占める。

近年、金融機関の再編による店舗統廃合やインターネット取引拡大で通貨処理機の需要が減少する中で、キャッシュレスを商機に、グローバルにM&Aを進め、小売店・飲食店業界へ攻勢をかけている。2020年には、世界的なクイックサービスレストランや小売事業者にサービスを提供する仏アクレレックを約242億円で買収し、2021年には、米国・流通市場向け通貨処理機事業を展開する米レボリューション・リテール・システムズを約210億円で買収した。

同社は大手小売業者やコンビニエンスストア、ホテルなどに製品・サービスを提供しており、米国・流通市場での販売を加速させる方針だ。キャッシュレス化の流れをいかに取り込むか、グローリーの今後の動向が注目される。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online
     [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2022年10月号)より