MARR Online注目業界動向

2022年10月の注目業界動向

2022年11月1日

光学機器のトプコン、「創業100年」に向けた次期中計に注目
東証プライム上場のトプコンは、服部時計店精工舎(現セイコーグループ)の測量機部門を母体とし、1932年に「東京光学機械」を創業。1989年に「トプコン」に社名変更し、2022年9月に創業90年を迎えた。
動向

トプコンは「医」「食」「住」の分野での社会課題の解決に取り組んでおり、眼検診(スクリーニングの仕組みづくり)、農業の工場化(IT農業)、建設工事の工場化(ICT自動施工)をハードウェアとDXソリューションの両輪で進めている。

1990年代初頭からM&Aを活用し、海外事業の拡大、新規事業開拓を行ってきた。これまで40件近くの案件を積み上げている。2013年にはスウェーデンのHexagonによる測位システム開発の英Veripos Inc.へのTOBに対して、対抗TOBを仕掛けたこともある。最近では、タカノに対して半導体関連分野に係る外観検査装置事業などを売却するなど事業構造改革も進めている。

2018年には元宇宙飛行士の山崎直子氏を社外取締役に迎えた。現在、売上高比率の約8割が海外、全従業員の約7割がノンジャパニーズのグローバル体制を構築している。
2019年度からの3カ年計画で、長期計数ビジョンとして2025年度売上高2500億円、ROE15%以上を掲げたが、コロナ禍を受けて2021年5月に計画値据え置きのまま、期間の1年間延長を発表した。「創業100年」に向け、2023年春に発表される次期中計に要注目だ。
出所:株式会社レコフデータ MARR Online
     [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2022年11月号)より