MARR Online注目業界動向

2023年2月の注目業界動向

2023年3月1日

サステナブルな素材として注目の藻類、大手企業がM&Aを活用し用途拡大
「ミドリムシ」に代表される藻類は、多様な環境に生息し、光合成によりタンパク質・脂質・炭水化物などを生成することから、近年はバイオマスとして注目されている。

「ミドリムシ」を活用し、食品や化粧品を展開するユーグレナは2015年に竹富エビ養殖(沖縄県竹富町)を買収し、微細藻類の飼料としての有用性試験を行うなど用途の拡大に取り組んできた。さらに、千代田加工建設などからの調達資金をもとに、2018年に日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを完成させた。

動向

インキ世界首位であり、藻類「スピルリナ」を健康食品素材や飼料などに展開するDICの動きも活発だ。2021年に資本業務提携したバイオベンチャーのグリーンサイエンス・マテリアル(熊本市)を2023年1月に子会社化した。同社は淡水藍藻類から抽出される多糖類を世界で初めて商用化し、様々なスキンケア製品へ応用する事業を展開しており、DICは藻類培養技術の活用によるヘルスケア事業の拡大を進める。
また、大陽日酸はアルガルバイオ(千葉県柏市)と資本業務提携し、藻類によるCO2有効利用技術の開発に取り組み、極洋は養殖飼料への活用を見込んでイービス藻類産業研究所(宮城県石巻市)に出資した。さらに、藻類の大規模培養技術を持つちとせグループはENEOSなどと企業連携型プロジェクト「MATSURI」を立ち上げ、燃料や化粧品原料、石油代替樹脂原料など様々な可能性を探る。サステナブルな素材として、さらなる展開に注目だ。




出所:株式会社レコフデータ MARR Online
   [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年4月号)より