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2020年3月のM&A状況

2020年4月7日

368件
3月のM&A市場では、IN-INで、トヨタ自動車と日本電信電話(NTT)がスマートシティ領域において資本業務提携を発表。IN-OUTでは、ノーリツ鋼機が、米KKRの投資先でDJ/クラブ機器など製造販売のAlphaThetaを買収する。OUT-INでは、ブラジルの製薬会社のハイペラファーマが、武田薬品工業から中南米での18製品のポートフォリオを譲り受ける。金額は約897億8400万円。

3月は368件
 3月の件数は368件で、前年同月比2件、0.5%の増加となった。マーケット別ではIN-INが293件で前年同月比3.9%増、IN-OUTは56件、同6.7%減、OUT-IN は19件で同20.8%減だった(表1参照)。新型コロナ禍の影響もあり、海外M&A件数は減少も、国内M&A件数は事業承継やベンチャー投資が堅調であった。金額は6704億円、前年同月比57.6%減だった。金額トップはトヨタ自動車と日本電信電話(NTT)の株式持ち合いで約2000億円(表2参照)。1-3月の累計件数は978件、前年同期比4.5%減。金額は1兆8720億円、同42.0%減。
 


※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2020年5月号)より