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2023年1月のM&A状況

2023年2月1日

三井物産、りらいあを完全子会社化
1月のM&A市場では、IN-INで、KDDIと三井物産が傘下のコンタクトセンター事業を経営統合させる。これに伴い、三井物産は、持ち分法適用会社のりらいあコミュニケーションズをTOBにより完全子会社化する。
IN-OUTでは、ダイキン工業が、通信機器製造販売の米ベンスターを買収した。
OUT-INでは、インパクトホールディングスが、米ベインキャピタルと共同で、MBOにより非上場化する。


1月は303件


1月の件数は303件で、前年同月比24件、7.3%の減少となった。マーケット別ではIN-INが233件で前年同月比9.7%減、IN-OUTは39件、同23.5%減、OUT-IN は31件で同72.2%増だった(表1参照)。金額は2815億円、前年同月比64.2%減少した。
金額トップは、三井物産によるりらいあコミュニケーションズの買収で約602億5600万円(表2参照)。

IN-INでは、KDDIと三井物産が、KDDIの全額出資子会社でコンタクトセンター事業のKDDIエボルバ(東京)と三井物産の持ち分法適用会社で同業のりらいあコミュニケーションズの経営統合で合意した。これに伴い、三井物産はりらいあコミュニケーションズをTOBにより完全子会社化する。買付金額は約602億5600万円。7月頃にKDDIエボルバを存続会社として、りらいあを吸収合併させる方針。議決権比率はKDDI51%、三井物産49%となる。デジタルBPO業界での競争力強化を図る。

丸井グループ、ロート製薬は、ユーグレナに2月6日付で資本参加する。約30億円の第三者割当増資を引き受ける。それぞれ資本業務提携した。また、マツダ、第一生命ホールディングスの傘下の第一生命保険(東京)は、48億円の無担保転換社債型新株予約権付社債を引き受ける。金額総額は約78億円。ユーグレナは、丸井グループ、ロート製薬と新規事業の創出や研究開発を加速化させる。
※金額は数百億円規模であることが判明した場合、金額欄に10,000百万円と記載している

※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは・・・
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online
   [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年3月号)より