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2023年7月のM&A状況

2023年8月2日

そーせいG、イドルシアの医薬事業買収
7月のM&A市場では、IN-OUTで、そーせいグループが、スイス証券取引所上場でバイオ医薬品企業のイドルシアの日本・APAC事業等を約650億円で買収した。IN-INでは、ソフトバンクグループなどが、ロボット開発ベンチャーのTelexistenceに総額約230億円を出資した。OUT-INでは、ホンダが、子会社の八千代工業をインドの自動車部品メーカーへ売却する。



7月は321件

7月の件数は321件で、前年同月比15件、4.5%の減少となった。マーケット別ではIN-INが253件で前年同月比7.0%減、IN-OUTは51件、同2.0%増、OUT-IN は17件で同21.4%増だった(表1参照)。金額は2818億円、前年同月比20.7%増加した。金額トップは、そーせいグループによるスイスバイオ医薬品企業のイドルシアの日本・APAC事業等の買収で約650億円(表2参照)。

IN-INでは、ソフトバンクグループ(SBG)、グロービス・キャピタル・パートナーズ(東京)などが、AIを搭載した遠隔操縦ロボット開発ベンチャーのTelexistence(同)にシリーズBラウンドで総額約230億円を出資した。同社はSBGの子会社のソフトバンクロボティクスグループ(同)と事業提携した。



※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは・・・
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。


出所:MARR Online (マールオンライン) [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年9月号) より