注目業界動向

2021年4月の注目業界動向

2021年5月7日

外部資源の取り込みで事業構造改革と企業変革を推進する総合商社

総合商社が、外部資源の取り込みにより事業構造改革と企業変革を推進している。

足元のキーワードは「DX」だ。伊藤忠商事は、総合コンサルティング大手のシグマクシスと資本業務提携した。約35億円を出資し、9.04%の株式を保有する第2位株主となる。
伊藤忠はグループにDXに資する多様なソリューションを提供する伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)やベルシステム24ホールディングスなどを抱える。シグマクシスとの提携で、DXの上流にあたるコンサル事業を強化する。

最近の傾向

三菱商事は、新たにチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)を任命し、その管下に「デジタル戦略部」を組成。NTTとの共同出資により企業のDXを促す「インダストリー・ワン」を立ち上げた。第一弾として、食品流通分野で、需要予測に基づき在庫削減や受発注の電子化などを後押しする。

さらに、行動ビッグデータに関する日本最大級のプラットフォームを有するベンチャーのunerryと資本業務提携。三菱商事が推進するスマートシティなどで、行動データを基にした様々なビジネスを展開する方針。他方、三井物産は、動画共有サイト「ユーチューブ」に向けた広告の支援を手掛ける米ゼファーと資本業務提携した。国内での総販売代理店となる。DXを推進し、新たな収益源に育てる。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏は2020年8月、三社に加え、丸紅、住友商事の5社について5%強の株式を取得したと発表した。保有目的を「純投資」とし、長期的に保有する見通し。バフェット氏が投資したことで、注目が集まっている日本の総合商社。「長期的な成長」を果たせるか、世界が注視している。(五頭英明)

出所:MARR online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~]  (2021年6月号)より