MARR Online注目業界動向

2021年11月の注目業界動向

2021年12月2日

停滞市場のカー用品店大手2社、M&A戦略で成長を目指す


近年のカー用品店市場は、ドライブレコーダーの販売、取付は好調な一方、高単価商品であるカーナビの販売、取付が減少している。また、主力商品であった芳香剤などのカーアクセサリーの需要減も重なり、ピークに2兆5000億円規模だった市場は、ここ数年約4000億円前後で停滞している。

最近の傾向


 そのような状況下、オートバックスセブン、イエローハットの大手2社は成長を続けていくべく、M&Aを展開している。オートバックスセブンは、2019年に正和自動車販売(滋賀県粟東市)、2020年に高森自動車整備工業(津市)を買収し、地方の車検整備ネットワークを拡大。2021年3月には、ジョイフル本田の全額出資子会社のジョイフル車検・タイヤセンター(千葉県印西市)を買収するなど、車検需要の取り込みを図っている。さらに新しい動きとして、2021年10月に電気自動車(EV)製造ベンチャーのHW ELECTROに資本参加し、EV市場への参入を決めた。

 対してイエローハットも、2020年に自動車整備・修理、自動車部品販売の溝ノ口自動車(神奈川県川崎市)を買収し、「車検、サービス事業」の拡大などを目指している。

 「若者のクルマ離れ」や車を所有する生活から「シェアリング」への転換は確実に進んでいる。コロナ禍での経済環境や個人消費など、依然として先行きが不透明のなかで、両社がどのように生き抜いていくのか、今後の展開に注目したい。

出所:株式会社レコフデータ MARR Online
     [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2022年1月号)より