MARR Online注目業界動向

2020年9月の注目業界動向

2020年10月2日
 
 家電量販店業界は今、市場の成熟化に直面している。家電の安値・売り切り販売という事業モデルでは限界を迎えるとみて、「EC」と「非家電」で生き残りをかける。

最近の傾向
最大手のヤマダ電機は、2017年に家電に加え、家具やインテリア、リフォームまで扱うコンセプトの新業態店舗「家電住まいる館」を確立し、多店舗展開に取り組んでいる。これに伴い、2017年に住宅リフォームメーカーのナカヤマ(埼玉県上尾市)を買収し、リフォーム事業を拡充。2018年には子会社のヤマダ・エスバイエルホームに、住宅関連のグループ会社3社を合併させ、ヤマダホームズを発足し、2019年には住宅品質検査の家守りホールディングス(東京)、経営再建中の大塚家具を買収。今年も注文住宅建築請負のレオハウス(同)、ヒノキヤグループの買収を発表した。また、ヤマダホームズを通じ、住宅メーカー2社を買収するなど、M&Aによる住宅関連分野強化の手を緩めない。
「暮らしまるごと提案」をコンセプトに、家電からインテリア・家具、住宅へと領域を広げる上で重要となる住宅セグメントの売上高は、2020/3期で連結売上高の1割弱であり、営業利益率も1%程度と業績貢献は今のところ限定的であり、コンセプト実現への道のりは必ずしも平坦ではない。

10月に持株会社ヤマダホールディングスへ移行し、企業価値向上を加速していけるか注目される。


出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2020年11月号)より