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2022年9月のM&A状況

2022年10月3日

ニコン、独金属3DプリンターのSLM買収
9月のM&A市場では、IN-OUTで、ニコンが独金属3DプリンターメーカーのSLMソリューションズ・グループを買収する。
IN-INでは、タカラレーベンがSMBCグループと共同で、タカラレーベン・インフラ投資法人をTOBにより買収する。
OUT-INでは、Jパワーが米火力発電所の権益のうち49%をタイ証券取引所上場でエネルギー会社のガルフ・エナジー・デベロップメントに譲渡する。


9月は397件


9月の件数は397件で、前年同月比41件、11.5%増加となった。マーケット別ではIN-INが290件で前年同月比10.3%増、IN-OUTは68件、同28.3%増、OUT-IN は39件、同2.5%減(表1参照)。
金額は6537億円、前年同月比80.4%減少した。金額トップはニコンによる独金属3DプリンターメーカーのSLMソリューションズ・グループ買収で約840億円(表2参照)。
1-9月の累計件数は3272件、前年同期比3.6%増、金額は8兆3137億円、同40.0%減。

IN-INでは、タカラレーベンが、三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMFLみらいパートナーズ(東京)、三井住友銀行(同)と匿名出資する合同会社グリーンエネルギーを通じてインフラファンド上場のタカラレーベン・インフラ投資法人をTOBにより買収する。買付金額は買付手数料などを含め約356億6100万円。保有する太陽光発電設備などの保有と発電の主体の一体化を通じて、機動的かつ効率的な運用を実現する。




※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは、
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。

出所:株式会社レコフデータ MARR Online
    [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2022年11月号)より