MARR Online注目業界動向

2022年1月の注目業界動向

2022年2月2日

パナソニックの自己変革。ブルーヨンダー買収で「強い」会社に変われるか

 

 パナソニックは2021年9月、7760億円(70.8億米ドル)を投じた米ブルーヨンダーの買収を完了した。同社はサプライチェーン管理に強いソフトウェア企業。米国のコカ・コーラやウォルマート、P&G、英国のユニ・リーバなど世界に3000以上の優良顧客を持つ。そのシステムはクラウド経由で、例えば各社の工場別の在庫情報が一元管理できるというもの。パナソニック(旧松下電器産業)にとって、1990年の米MCAの買収(7800億円)、2008年の三洋電機(4037億円)の買収以来の大型M&Aとなる。

 

最近の傾向

 

パナソニックの事業構造改革の始まりは01年に遡る。業績悪化を契機に、上場子会社の松下寿電子工業など4社を株式交換により100%化すると発表した。子会社の自主独立を尊重した「連邦経営」と決別し、スピード重視のトップダウン型に舵を切った。

近年では、パナソニックヘルスケアの米KKRへの売却など、事業ポートフォリオの組み変えも進めてきた。パナソニックは22年4月にパナソニックホールディングスに社名変更し、持株会社体制へ移行する。ブルーヨンダーとの統合を指揮するコネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長兼CEOは、「強い」会社を目指して、矢継ぎ早に改革を実行すると意気込む。パナソニックの自己変革の行方が注目される。

出所:株式会社レコフデータ MARR Online
     [マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2022年3月号)より