2022年2月の注目業界動向

　コロナ禍の巣ごもり需要を追い風に、オイシックス・ラ・大地の業績が好調だ。2022年3月期売上高（予想）は1130億円（前期比12.9%増）と過去最高を見込む。オイシックス・ラ・大地は、小売業競合3社の統合会社だ。

野菜宅配のオイシックスは､2017年にローソンが筆頭株主であった同業の大地を守る会(千葉市)を株式交換、吸収合併により経営統合し、「オイシックスドット大地」を発足。らでぃっしゅぼーや（東京）を抜いて業界首位となった｡さらに、2018年にらでぃっしゅぼーやの株式をNTTドコモから取得、吸収合併し、「オイシックス・ラ・大地」に社名変更した。その後の統合作業は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう2020年までに終えた模様で、現在は、オイシックス創業者の高島宏平社長を筆頭に、リクルートホールディングス、大地を守る会創業者の藤田和芳会長、NTTドコモなどが主要株主に並ぶ。有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など安心・安全に配慮した食品の定期宅配サービスを「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」 「大地を守る会」の3ブランドを軸に提供。

「これからの食卓、これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を推進している。事業環境の激変で小売業界が抱える課題は多岐にわたる。次の成長へ向け、結束力が試されるときだ。