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2023年4月のM&A状況

2023年5月1日

キリンHD、豪の健康食品会社を買収
4月のM&A市場では、IN-OUTで、キリンホールディングスが、豪証券取引所上場で健康食品事業のブラックモアズを1692億円で買収する。
IN-INでは、イオンがいなげやを買収し、その後、マルエツなどを傘下にもつユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの完全子会社とする。
OUT-INでは、米ゴールドマン・サックスが、タクシーアプリ「GO」提供のGO(東京)に100億円を出資する。

4月は375件

4月の件数は375件で、前年同月比13件、3.4%の減少となった。マーケット別ではIN-INが299件で前年同月比4.8%減、IN-OUTは59件、同43.9%増、OUT-IN は17件で同48.5%減だった(表1参照)。金額は4855億円、前年同月比14.1%減少した。金額トップは、キリンホールディングスによる豪証券取引所上場で健康食品事業のブラックモアズの買収で約1692億円(表2参照)。

IN-INでは、イオンが、いなげやを11月をめどに買収する。出資比率を17.01%から51%を上限に高める。その後、2024年11月をめどにいなげやを、マルエツなどを傘下にもつユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの完全子会社とする。1兆円のスーパーマーケットグループとしてスケールメリットを活かした新たなビジネスモデルへの進化を進める。



※IN-IN(イン・イン):日本企業同士のM&Aをいう。

※IN-OUT(イン・アウト):日本企業による外国企業へのM&Aをいう。 一般的には、アウトバウンドM&Aともいう。

※OUT-IN(アウト・イン):外国企業による日本企業へのM&Aをいう。一般的には、インバウンドM&Aともいう。

※当事者とは・・・
合併では存続会社を当事者1とし、相手側を当事者2とする。新設合併や株式移転による完全親会社設立では、会計処理で取得企業になる側を当事者1とする。
買収、資本参加、出資拡大では株式の取得側を当事者1とする。対象企業を当事者2とする。
事業譲渡では、資産などの取得者を当事者1とし、相手側を当事者2とする。既存事業の統合では、事業規模の上位の企業を当事者1とする。



出所:株式会社レコフデータ MARR Online[マーケットを読む ~今月のM&A状況~] (2023年6月号)より